観光客減少に消えた『兼六園シャトル』
2021年 08月 07日
【北陸新幹線金沢開業】以前から、全国区の観光地として
さらなる誘客と訪れた旅行者の移動の利便性を考えていた
金沢市からの働き掛けも受けて、備えていた観光ルート型の
路線バスのひとつだったのが【兼六園シャトル】でした。
運行開始は2008年7月でした。
運行には専用カラーの車両(基本3台)が用意され、ルートは金沢駅を
起点に、武蔵が辻や香林坊といった中心繁華街を抜け、若者や女性に
人気の高い『金沢21世紀美術館』前の広坂通りから、兼六園をぐるっと
一回りして広坂通りに戻り、同じ道をたどり金沢駅に向かうという
わかりやすいラケット循環ルートでした。
金沢を訪れる観光客の多くが、まずは訪れるだろう日本三名園の
ひとつ、『兼六園』の名を冠したこの循環ルートの路線は、JR
金沢駅を降り立った旅行客が迷いなく、兼六園へ導いてくれる
もので、初めて金沢を訪ねた旅行者にとっては、とくに評判が
よかったものです。
ルート上、兼六園を周回する部分には3か所でバス停が設けられ、
複数ある入り口にも近く、隣接する観光施設への誘導にも役立って
いました。
バス停もバスのカラーリングに合わせた専用のバス停ポールや
表示がされていて、観光後に繁華街や金沢駅付近のホテルなどへ
戻るにもわかりやすくなっていました。
金沢市内中心部や市内各所の観光施設などを巡るには、同社が
運行しているもうひとつの循環ルートの【城下まち金沢周遊バス】
(左回り・右回り)がありますが、この3ルートでたっぷり金沢市内
観光を楽しむことができました。
インバウンドの増加と新幹線開業でまさにピークを迎えていた
金沢の観光地も、昨年当初からの【新型コロナウィルス感染】の
拡大による【緊急事態宣言】の発出が繰り返され、訪れる観光客は
激減、定期観光バスの運休とともに順次、これら観光ルートの
路線バスも運休に追い込まれました。
そして、宣言の解除や石川県内の感染状況が収まる状況をみながら
随時、運行再開と休止を繰り返している【城下まち金沢周遊バス】に
対して【兼六園シャトル】は、長期間にわたり運休が続き、最終的に
自然消滅に近いかたちで、残念ながら2021年4月に正式に路線廃止と
なってしまいました。
専用車両は、廃止後、これまでの所属営業所から転属される
ものや、一般路線カラーなどに戻されるなどの変化が見られる
ようですが、多くのバスが運行されている中で判別はなかなか
難しく、早々に名残を感じられることはなくなりました。
2021年8月の現在は、再び全国的な感染拡大傾向が続いており、
金沢市内では県や市の観光施設を中心に臨時休館、閉園となり
定期観光バスや周遊バスは全便運休中となっています。
画像は2009.5~2020.7 撮影
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surf4883maturi at 2021-08-07 21:38
tabinoirodori さん
こんばんは、
兼六園シャトルは安価に利用していました。
無くなってしまったのですか・・便利だったのに。
奇しくも蔵出しで周遊ボンネットバスを先日ブログ
upしました。自分が使っていたものが無くなるのは
つくづく寂しいものですね。
こんばんは、
兼六園シャトルは安価に利用していました。
無くなってしまったのですか・・便利だったのに。
奇しくも蔵出しで周遊ボンネットバスを先日ブログ
upしました。自分が使っていたものが無くなるのは
つくづく寂しいものですね。
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tabinoirodori at 2021-08-09 21:39
☆ surf4883maturiさん
新幹線開業で、どどっと首都圏方面からの観光客が増えて
一変した金沢の観光地の様相は、地元民にとっては興ざめな
部分もありました。周遊バスもボンネットバスの時代までは
金沢らしい狭隘なルートが魅力だったので、大型化して
左回り・右回りのルートになって魅力は半減したと思います。
2012年の記録、拝見しました。あのときの良さが伝わって
きます。ありがとうございます。
新幹線開業で、どどっと首都圏方面からの観光客が増えて
一変した金沢の観光地の様相は、地元民にとっては興ざめな
部分もありました。周遊バスもボンネットバスの時代までは
金沢らしい狭隘なルートが魅力だったので、大型化して
左回り・右回りのルートになって魅力は半減したと思います。
2012年の記録、拝見しました。あのときの良さが伝わって
きます。ありがとうございます。
by tabinoirodori
| 2021-08-07 21:00
| バスのカラーリング
|
Comments(2)