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情熱のシルク 絹糸が結ぶ「縁」







古の華やかな京や江戸の文化で魅力を重ねてきた、城端。



まち歩きは、礎の「善徳寺」から「城端曳山会館」を巡ってきました。






「城端曳山会館」には、かつての豪商が建てた蔵を現代にアレンジして



地域の歴史や芸術作品などの展示施設としている「蔵回廊」が併設されて



いました。



こちらについても紹介したい内容があるのですが、いずれ機会をあらためて



お伝えしようと考えています。







レポート第3弾となる今回は、城端の町の発展を支えた「絹織物」に



触れてみます。


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城端のメインストリート(曳山会館や南砺市城端庁舎、商店などが並ぶ主要地方道)から一段下がったところに、かつての絹織物工場などが軒を連ねた通りがあります。一見すると大きな住居のようでもあるのですが、多くは織物工場だった木造の建物です。




栄枯盛衰という言葉をあえて使うとすれば、いまは残念ながら



「栄・盛」をすぎてしまったあとの寂れた印象がぬぐえなくもない



のですが…


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かつては、町内に36ヶ所もあったといわれる城端の絹織物工場も、安価な外国製擬似シルクに圧されて、次第に販売力が低下し、衰退の道をたどった。工場が閉鎖されたあと、買い手がつかなかった建物は北陸の厳しい風雪にさらされ、年月を重ねて朽ちている姿を目の当たりにします。






実はこの旅のなかでも最大の感動を受けた、出会いがありました。




そして、そこで城端の絹織物が持つ、情熱と将来への希望を強く感じたのです。




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いまなお、毎日(土日祝以外)、織物機械を稼動している町内唯一の工場である『松井機業』さんの正面。大きな民家のようにも見えますが、事務所と応接室を兼ねていたような建物です。現在は、ここで生産されたシルク商品の直売を兼ねたショールームの役割を担っています。




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『松井機業』さんでは、必ずしも工場の関係者がこの場所に常駐されているという




わけではないのですが、幸運なことにちょうどこの時間には、工場の制服を着られた




女性が迎えてくれました。





そして、その女性の手にとまっていたのは…




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なんと!羽化した蚕、『御蚕様(おかいこさま)』でした。 (画像はクリックで拡大します。)






私は実際に生きたカイコをみたのはじめてです。




女性いわく、「いつもはそんなことはないのだけど、御蚕様が、『誰かが来るよ』と




訴えかけていたような気がしたんです。」と。




リップサービスだとしても、なんだかうれしいお声掛けに、




昭和かそれ以前の風情を感じる工場の建物にすんなりと、入場したのでした。






       と、いうことで、「御蚕様」と【城端絹】の話はもう少しつづきます。












by tabinoirodori | 2017-07-19 23:08 | まち歩き | Comments(0)

きらめき、ヒラメキできょうはどこへ行こう!


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