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古の東西文化の流れを汲む、城端の曳山








善徳寺を中心に寺内町・門前町として発展した越中の小京都、『城端(じょうはな)』。






歴史を感じる町歩きは愉しい。






前回は、町の基礎ともなっている「善徳寺」にスポットをあててみましたが、




今回は町人の文化の結晶ともいえる城端の「曳山」についてです。






毎年5月5日に行われる『城端曳山祭』は、昨年、全国各地の曳山祭りとともに



【ユネスコ無形文化遺産】に登録されました。



6基の曳山が町を練るのは1年に1度だけですが、一年を通してその美しい姿を



鑑賞することのできる施設があります。



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【城端曳山会館】です。








ここには、常時3基の「曳山」と、それに随行する【庵屋台】が展示されて



います。



富山県内には、これまで当ブログでも何度か紹介している『高岡御車山祭』を



はじめ、いくつも曳山祭りがあるのですが、城端の曳山の特徴でもあり、



他との決定的な違いともいえるのが、この【庵屋台】です。





会館内の展示空間は撮影が禁止されているので、直接画像をアップすることは



できないので、パンフレットの画像をごらんいただきたいと思います。



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こちらは、隣接する施設『蔵回廊』に展示されていたミニチュアの模型です。左が「山車」右が「庵屋台」です。画像はクリックで拡大します。




古の東西文化の流れを汲む、城端の曳山_f0281398_22453148.jpg
「城端曳山会館」のパンフレットより。クリックで拡大してご覧ください。真ん中の段の写真が各町内の「庵屋台」です。








また曳山のメイン「山車」には、加賀藩の伝統技術である金箔がふんだんに




装飾に使われていることはもちろんなのですが、各基に「御神像」と呼ばれる




神様が載せられています。







この【庵屋台】の役割というのは…


古の東西文化の流れを汲む、城端の曳山_f0281398_22494105.jpg


これは、曳山が巡航する際に唄われる「庵唄」という江戸情緒ゆたかな端唄を



唄うために、笛や三味線などの伴奏者を乗せて運んだものなのです。



そして、この屋台の作りが、なんと京都の茶屋をモデルにして作られたという



のがとても興味深い点でもあります。








そんな祭りの屋台から当時の加賀藩との関係や伝統技術や文化の伝承についてを




曳山会館の館長からたっぷりと解説をしていただくことができました。




知れば知るほど、祭りに対しての興味も深まります。




その解説を拝聴する前には、エントランスにある20分のビデオ放映で基本情報を




得ることができたのでさらに内容の理解が進んだのがよかったです。







ちなみに、「城端曳山祭」は毎年5月5日に(宵祭は5月4日)行われますが、




今年は、5月3日に富山市八尾町(あの風の盆で知られる町です)で行われる




「八尾曳山祭」を初めて観ることができたのですが、こちらも絢爛豪華です。


古の東西文化の流れを汲む、城端の曳山_f0281398_22510119.jpg
『八尾曳山祭』の山車。装飾はさらに豪華で、彫刻や漆塗りの美しさが素晴らしい。この山車の製作にも城端の曳山が影響を受けているというのです。 画像は2017.5.3富山市八尾町内にて撮影。






ただ、城端の曳山は歴史的に八尾のそれよりさらに80年ほど前に始まったもの



だそうで、その後の八尾の曳山製作にも、この巧みな技術につながったとも



伝えられているそうです。




う~ん、奥が深いですね。




そんな歴史と関係性を今回知ることができたのも有意義でした。






来年は、ぜひ、五月の晴天のもと、町内に曳かれる山車と庵屋台を



間近にみてカメラに収めたいと思いました。






    と、 今回は、ここまでです。まだまだ魅惑の城端町歩きは続きます♪












by tabinoirodori | 2017-07-16 23:03 | まち歩き | Comments(0)

きらめき、ヒラメキできょうはどこへ行こう!


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